反撃能力持ち抑止力発揮、国守る意思を防衛費増で示せ  岸さん、そのとおりです 2022.11.13

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2022/09/19

年末までの国家安全保障戦略など安保3文書の改定や防衛費増額議論の本格化を前に、岸信夫首相補佐官(国家安保担当)が読売新聞のインタビューに応じた。8月まで防衛相を務めた岸氏は、反撃能力の保有や、防衛費を対国内総生産(GDP)比2%以上に増やしていく必要性を訴えた。

 ――国家安保戦略改定にあたり重視すべき点は。

日本は、中国、ロシア、北朝鮮の「三正面」に 対峙たいじ しなければならない。世界を見ても、これだけ強大な軍事力に囲まれているのは日本だけではないか。日本の防衛力は 脆弱ぜいじゃく との認識に立ち、改定していかなければならない。

 (自衛目的で武力攻撃に対抗する)反撃能力を持ちながら、抑止力を発揮していかないといけない。日本のミサイル防衛は非常にコストをかけさせられている。相手国が撃ってくるかもしれない安価な攻撃ミサイルに、高価な弾道ミサイル防衛で対処している状態だ。

 ――防衛費の「対GDP比2%以上」は必要か。

 国を守るためにしっかり取り組んでいるという国家意思を示す必要がある。一つの目安が、北大西洋条約機構NATO)が共通目標とするGDP比2%以上だ。その程度の規模を確保しないと、日本の防衛を全うすることは難しい。5年を目途に抜本的に強化していかなければいけない。

(国防費以外も国防関係費として算入を認めるNATO基準については)NATOと比較するための水準を知る意味では必要かもしれないが、真水として防衛省自衛隊の予算を増やすべきだ。

 中国は、第4、第5世代の戦闘機では日本の約4倍、潜水艦は、日本の約2・6倍を保有する。日本も数量が必要だ。中国は科学技術の軍事への応用も加速化させている。日本では、防衛への技術活用にアカデミア(学界)の抵抗感が強い。優れた民間技術を円滑に取り込むために、防衛への忌避感を解消したい。

 ――防衛費の財源は。

 国債発行を排除できないし、増税も可能性としてはあるだろう。あらゆる手段を検討する必要がある。日本は厳しい安保環境にもかかわらず、1人当たりの防衛費は低く抑えられている。国民に必要性をしっかり理解してもらうことが大切だ。

 ――台湾情勢をどう見ているか。

 中台間の軍事バランスは中国側に有利となり、中国軍は台湾周辺で活動を活発化させている。日本は台湾に近く、沖縄県与那国島は目と鼻の先だ。台湾侵略があると考えた場合、日本が巻き込まれるだけでなく、日本を踏み台、足がかりにしながら進めていくこともあり得る。日本は何ができるかを主体的に考え、日米間でしっかり協議していく必要がある。

(聞き手・栗山紘尚)

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