日台友好の代名詞は「オレンジの悪魔」 京都橘吹奏楽部が圧巻パフォーマンス 2022.10.22

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2022/10/21

台湾の建国記念日に当たる「双十節(そうじゅうせつ)」(10日)を祝う式典に、マーチングバンドの強豪で「オレンジの悪魔」の異名でも知られる京都橘高校京都市伏見区)の吹奏楽部が招かれ、圧巻のパフォーマンスで台湾の民衆を魅了した。日中国交正常化に伴う日本と台湾の断交から50年となった今、相互理解は進み、日台の交流はさらに活発化。専門家は「次の50年へ良好なスタートを切った」と話す。

10日、台北の総統府前広場で、オレンジ色の衣装に身を包んだ部員88人による行進が始まった。演奏しながら笑顔でステップを踏み、多彩な隊形を披露。約15分のパフォーマンスの間、聴衆の視線はくぎ付けになり、蔡英文総統も立ち上がって手を振るほどだった。「パフォーマンスはまさに日台友情の代名詞」と日本の外交関係者。日台で反響は広がり、公式動画の再生回数は21日現在で150万回を超えた。

「見ていた多くの方から日本語で『橘がんばれ』『ありがとう』と声をかけてもらった。笑顔になってもらえたのが何よりうれしい」。部長の竹内望咲(みさき)さん(3年)が手応えを語った。

祝典に海外の団体が出演するのは今回が初めてだった。今年は日本台湾交流協会(日本の対台湾窓口機関)の設立から50年の節目に当たる。米国の新年を飾る「ローズ・パレード」に2度出場した同校吹奏楽部の世界的な知名度に加え、「未来ある子供たちの力を大事にしたい」という台湾側の強い思いもあり、蔡氏が会長を務める「中華文化総会」が出演を打診した。

吹奏楽部顧問の兼城(かねしろ)裕さん(44)によると、学校にオファーが届いたのは今年2月頃。最初は半信半疑で「すぐに返信できず、いったんそっとしておいた」。その後、開封確認のメールが改めて届くなどしたため「ただごとではない」と感じたという。

一行は今月5日に現地入り。出発前には、しっかりと台湾の歴史を学んだ。7日に総統府を見学した際には、蔡氏がサプライズで現れた。出演の謝意とともに「大人になったらまた台湾に来てくださいね」と言葉をかけられたという。

祝典で儀仗(ぎじょう)のパフォーマンスを披露した台北市立第一女子高校の生徒らとも交流。すぐに打ち解け、日本のアニメや演技について盛り上がった。

「台湾の人に温かく迎え入れてもらい、親交を深めることができて幸せだった」と竹内さん。「部員の間では、『絶対また台湾に来ようね』と話しています」と力を込めた。

東京外語大の小笠原欣幸(よしゆき)教授(台湾政治)によると、日台間の交流は東日本大震災を機にさらに活発になっている。震災では、台湾から世界で最多とされる200億円超の義援金が寄せられ、日本国内でも台湾への支持が一気に広がった。

今回の出演は日台の強固な絆があり実現したもの。小笠原氏は「パフォーマンスは快活な印象を与え、長きにわたる良好な日台関係を象徴していた」と指摘。「次の50年を見据えても、若い世代を中心とした新たな日台交流への期待の表れに映る。明るい未来をも示すシーンであり、今後、日台関係を回想する上で欠かせないできごとになるだろう」と述べた。

(矢田幸己)

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