田中角栄氏が「冠婚葬祭」で最も重視した行事  人の心があればわかります 2022.9.19

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president.jp

2021/10/18

冠婚葬祭、
とくに重視したいのは葬祭だ。
結婚式などは
皆が喜んでいるのに対し、
葬式は誰もが落ち込んでいる。
寄り添ってやるのは
当然のことではないか。

 

田中は、情にもろい男であった。そのために「“情と利”の角さん」などとも言われていた。結婚式などめでたい席は、みんなが喜び祝福をしているので、どうしても出席しなければならないということはない。むしろ、人々が悲しんでいる葬式にできるだけ顔を出し、遺族に慰めの言葉でもかけるべきだとする姿勢を通したのである。

実際、田中は人の不幸には居ても立ってもいられず、葬式に駆け付け、遺族と一緒に涙し、激励するという光景をあちこちで見せている。

象徴的なエピソードがある。田中が幹事長時代の1965(昭和40)年、かつての政敵であった社会党の元委員長・河上丈太郎の訃報を聞いた田中は、社会党、河上家のどちらからも招かれていないのに葬儀に駆け付けたのである。年末の雨の降る寒い日である。

田中は2時間ほど立ち尽くし、野辺の送りをやった。足元は雨が跳ね返っていた。

河上とは、自民党社会党の対立時代が始まった「55年体制」のなかで、激しくやり合った仲であった。そんな田中が葬儀にわざわざやって来た。自民党から参列した幹部は田中一人であった。葬儀に参列した社会党議員らから、「田中というのは凄い男だ」という声が漏れ聞こえてきたものだった。

 

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