大阪府阪南市 全国的にも例の少ない「高校不在」の都市に 維新が決めた大阪府の”独自ルール”3年連続定員割れの高校は統廃合 2022.5.10

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news.yahoo.co.jp

2022.3.11

(3月24日に大阪府議会で府立学校条例改正案が可決されたことを受け改稿しています)

 大阪府南部にある「阪南市」。

 人口約5万2000人の都市で、「唯一の高等学校」が廃校となることが決まりました。3月24日、大阪府議会は関連の条例案を可決。阪南市は、全国的にも例の少ない「高校不在」の都市となる可能性が浮上しています。一部の市民から反対の声があがる中、大阪府はなぜ、市内唯一の高校をなくそうとしているのでしょうか。

 取材の中で見えてきたのは、大阪府が独自で定めた「あるルール」と、様々な「数の壁」でした。

 

「府立泉鳥取高校は2023年度以降、新入生の募集を停止すること」

 大阪府立泉鳥取(いずみとっとり)高校。阪南市唯一の高校で、市内南東部、JR阪和線和泉鳥取駅近くの高台にあります。1976年創立後、1万3000人以上の卒業生を送り出してきました。
 しかし去年12月、教育関係者が集まる、大阪府の「教育委員会会議」で、この高校に関する“ある決定”がなされました。

――2023年度以降、新入生の募集を停止すること――

 大阪府議会の2月定例会で関連の条例案が上程され、3月24日の議決を経て、廃校が正式に決まりました。廃校の時期は、すべての生徒が卒業する「2025年3月末」。
 阪南市にとって、問題は「廃校」だけではありません。大阪府内の33市で初めて、公立・私立ともに「高校不在」の都市となる可能性が浮上しています。

 少子高齢化が進んでいるとは言え、5万人以上いる「都市」としての人口規模をもつ阪南市から、なぜ高校が消滅しようとしているのでしょうか。その背景にあったのは、大阪府が決めた「あるルール」でした。

 

「3年連続定員割れ」は「統廃合」の対象に

 

 遡ること10年前。当時の松井一郎知事(現・大阪市長)のもと、「大阪府立学校条例」が改正され、2012年4月から、新たなルールが適用されることになりました。3年連続で定員割れし、改善の見込みがないと判断された府立高校はすべて、統廃合など「再編整備の対象」となることが決まったのです。このルールの狙いとは―

 

「将来の子どもの数や、入学志願者数の動向、地域の特性などを総合的に勘案し、効果的かつ効率的に学校を配置すること」(府立学校条例より)

 泉鳥取高校も、昨年度までに「3年連続定員割れ」となりました。大阪府教育委員会によりますと、2021年3月末の段階で、「再編整備の対象」となったのは、府内で13校。その中でも、泉鳥取高校を含む3校が、今後も定員割れの「改善の見込みがない」として、統廃合される見通しとなりました。

 では、泉鳥取高校の「定員割れ」は、どの程度のものだったのでしょうか。新入生の募集定員は、1学年6クラスで計240人。一方、志願者数は―

2019年度「225人」 (ー15人)
2020年度「239人」 (ー1人)
2021年度「160人」 (ー80人)

 2020年度の定員割れは、「わずか1人」。2021年度も大きく数は減ったものの、1クラス40人で4クラス編成が可能な生徒数が集まっています。しかし、大阪府教育委員会会議での判断は、泉鳥取高校を廃校とした場合でも、「地域の特性などを勘案して、(近隣生徒の)就学機会が十分確保出来る」というものでした。

 

( 以下略 )

 

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