安倍元総理 防衛費 次の世代に祖国と平和を残す予算  そのとおりです 2022.4.20

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news.yahoo.co.jp

2022.4.19

【日本の誇り 安倍晋三

ロシアによるウクライナ侵攻は、第二次世界大戦後の国際秩序を根底から覆した。核大国であり、国連安全保障理事会常任理事国による暴挙は「国連の機能不全」を白日の下にさらし、日本は安全保障政策の抜本的見直しを迫られている。憲法前文に記されているような〝ユートピア的理想主義〟で、国民の生命と財産を守り切ることができるのか。安倍晋三元首相は連載「日本の誇り」で、侵攻開始から1カ月半以上過ぎたウクライナの惨状を踏まえて、憲法前文の問題や、憲法9条への自衛隊明記の重要性、国家意思を示す意味もある防衛予算増などについて語った。

 

ロシア軍による残虐行為が連日報じられている。欧米メディアが流したウクライナ首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどの映像は凄惨(せいさん)極まるものだ。多くの方々が衝撃を受けたのではないか。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は「これは戦争犯罪であり、世界でジェノサイド(民族大虐殺)として認識されるだろう」とロシアを強く批判した。ロシアは「でっち上げだ」と否定している。

国際刑事裁判所(ICC)は「戦争犯罪」と「人道に対する罪」の疑いで捜査を開始した。ロシアもウクライナもICCの締結国ではなく、訴追は簡単ではないだろう。ただ、国際機関が徹底的に捜査して証拠を集め、「戦争犯罪」を立証する動きは重要だ。

ウクライナ侵攻で明確になった国際社会の現実を受けて、わが国の憲法が改めて注目されている。前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持(する)」という記述が、「夢物語ではないのか」と議論になっている。

自民党有村治子参院議員も2019年3月4日の予算委員会で「公正と信義といった諸国民の善意だけに私たち自身の安全や生存を委ねてしまうことで、私たちは安心して生きていけるのでしょうか」「日本を取り巻く安全保障環境を考えた場合、そんな美しい善意に満ち満ちた近隣諸国ばかりに日本は囲まれているのでしょうか」と核心を突く質問をしている。

ウクライナ国民の「祖国を守る」という決意と覚悟、士気の高さは、日本をはじめ多くの国々の心を動かした。海外にいたウクライナ人も帰国して銃を取った。彼らは自分の価値観を「損得」に置いていない。「命をかけても守り抜くものがある」と身をもって世界に示した。

日本の自衛官も入隊する際、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います」という「服務の宣誓」を行っている。これは、日本に万が一のことがあった場合、命をかけて任務を遂行すると誓うものだ。

自民党憲法改正のポイントの1つとして、「自衛隊の明記」を提示している。自衛隊の「違憲論争」に終止符を打ち、日夜国防のために汗を流している自衛官に誇りを与えるものだ。

国民の方々も「国防の重要性」を再認識したのではないか。日本の周囲には、中国やロシア、北朝鮮が存在する。自ら国を守る努力をしない国のために、一緒に戦ってくれる国は存在しない。

社会民主党緑の党の連立政権であるドイツですら、国防費をNATO北大西洋条約機構)基準のGDP(国内総生産)比2%以上へ増やす決断をした。

防衛費は当初予算で6兆円確保すべきだ

日本の防衛費は2022年度当初予算(約5兆4000億円)と21年度補正予算(約7700億円)を合わせて計約6兆1700億円、GDP比1%程度だ。23年度はGDP比2%に向けて、何としても当初予算で6兆円程度は確保すべきだ。これができれば、日本の「自分で自国を守る」という国家意思を世界に示すことができる。できなければ、世界から「日本はまた他国任せか」と見放されかねない。

防衛費はこれまで、制約された予算の中で計上されてきた。GDP比2%が確保できれば、防衛産業も研究開発を含めて安心して投資できる。米国の国防予算は年間約100兆円だが、軍事技術が民間に転用されて経済成長につなげている。

日本では、道路や橋などの公共インフラをつくれば次世代も恩恵を受けるとして、建設国債の発行は認められている。防衛費は「次の世代に祖国と平和を残す予算」ともいえる。

 

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