宮崎大大学院のプログラム 国費留学生、優先配置へ  えっ、日本人は?  2022.4.4

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2022年3月22日

医師と獣医師が連携して心臓病や腎臓病の研究を進める宮崎大大学院のプログラムに、2022~24年度の国費外国人留学生が優先的に配置されることが決まった。新型コロナウイルス対策の入国制限など流動的な要素はあるが、今秋にも、東南アジア・南西アジアの国々から最初の留学生7人を受け入れる計画だ。

 これらの国々では経済発展とともに高齢化が急速に進み、心臓・血管の病気や腎臓病の患者の急増が予想される。日本がこれまで培ってきた診断、治療や予防のための研究の成果を共有するのが狙いという。

 国費留学生の正式名称は「日本政府奨学金留学生」。留学先の日本の大学の入学金・授業料や来日時・帰国時の旅費を文部科学省が負担し、月額14万円前後の奨学金も支給する。「選考は厳しく、えり抜きの人材が集まる」(宮崎大の担当者)という。

心臓・血管の病気や腎臓病の予防・治療は、ペットや家畜にとっても重要な課題とされる。宮崎大学大学院には全国で唯一、医学と獣医学を融合させた「医学獣医学総合研究科」がある。医学と獣医学が一体となった教育・研究の土壌があることも、文科省の審査で評価されたという。

 同大学院の医学分野には、今回のプログラムとは別の分野で研究を進める国費留学生もいる。

 インドネシア出身で医師のベタシウィ・プルバサリさん(33)は4年前、4歳の息子を連れて来日。元国費留学生のインド人助教、ラダ・マドゥエスタさん(51)の助けも借りながら分子細胞生物学の研究を進め、医学博士号を取得。3月中に帰国する予定だ。

 プルバサリさんは「母国で遅れている予防医学の担い手を育ててくれる今回のプログラムは、とてもありがたい」と話す。

 プログラムを統括する渡辺望教授(50)は「育成した人材がつながり、国境の垣根を越えた人脈となる。日本の国際貢献が途絶えないよう、末永く続けていきたい」と話している。

(大野博)

 

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