ウクライナ「降伏」論が映す戦後平和主義の悪弊 平和であれば奴隷になってもいいわけではないですから 2022.3.31

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www.sankei.com

2022/3/29

ロシアに侵攻されたウクライナのゼレンスキー大統領が国会で行ったオンライン演説は、日本国民の心によく響くものだった。アジア諸国で最初に対露制裁に加わった日本を「アジアのリーダー」と呼んだのは、特に印象に残った。両国が共有する普遍的価値の絆に触れ、遠く離れた両国の間に「距離は存在しない」とし、その価値を守っていこうと呼びかけた。

日本は戦後、軍事大国として覇権的地位を求めず、国際正義を追求する努力をしてきた。今、台湾や東南アジア諸国連合ASEAN)の世論調査では最も信頼できる国とされている。中国とインドはロシアの侵略への批判を避けている。ゼレンスキー氏は「アジアのリーダー」との言葉で、支援だけではなく、道徳的リーダーシップの観点からも、日本は正しい行いをしていると強調したのだ。

( 中略 )

ただ、日本の世論で「ウクライナが降伏すべきだ」との意見が強いのは驚きだった。同国民の命を思ってのことだろうが、戦後の平和教育の悪弊と言える。平和を重視するあまり、「隷従の平和」、つまり独立や自由、人権などほかの価値を犠牲にしてでも平和を得るべきだという意識だ。厳しい表現だが、戦後の日本人の精神の醜い側面だ。

( 以下略 )

 

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