中国と北に加えロシアも 日本防衛「覚悟」の3正面に かなり厳しいです 2022.3.6

**********************************************************************************************

www.sankei.com

2022/3/5 

北朝鮮が2週続けて弾道ミサイルを発射したことで、核・ミサイル開発を固い意志で進める隣国の脅威が改めて浮き彫りとなった。同時に、ロシアのウクライナ侵攻によって日本の北方でロシア軍の示威活動が増えることが見込まれる。また、沖縄県を含む南西諸島方面では中国軍が圧力を強めており、日本防衛は3正面での対処を余儀なくされている。

「国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中、北京パラリンピック開催中の発射であり、断じて容認できるものではない」。岸信夫防衛相は5日、北朝鮮弾道ミサイル発射を改めて非難した。

北朝鮮は1月、7回にわたりミサイルを連続発射した。北京冬季五輪期間中は控えていたが、閉幕後の2月27日に続き、異例のペースで発射を再開している。 今月4日にはパラリンピックが開幕。日本政府内には「パラ開催中は今まで発射がなかったので、今回もないだろう」(外務省幹部)との観測もあったが、裏をかく形で北朝鮮はミサイル発射に踏み切った。

防衛省北朝鮮のミサイルに対し、新たな迎撃ミサイルの開発・配備などで対処するが、警戒すべき対象は他にも2つある。

一つはウクライナ侵攻で今後、緊張が高まる恐れがあるロシアだ。2日にはロシア国籍とみられるヘリコプター1機が日本領空を侵犯する事案が発生。ロシアが不法占拠する北方領土方面から飛来し、同じ方向へ戻っていったことから、ロシア軍による挑発行為の可能性がある。

岸田文雄首相は2月27日、ロシアのプーチン大統領に対する制裁に踏み切る方針を発表した。国家元首に対する制裁は異例で、決定に関与した政府関係者は「日本は中国と北朝鮮の2正面でやってきたが、ロシアを加えた3正面を引き受ける覚悟をした上で決断した」と振り返る。

日本にとって「主敵」ともいえる中国の動きも活発になっている。宮古島沖縄県)と沖縄本島の間の宮古海峡では2月中旬以降、中国の艦艇や軍用機による通過が相次いでいる。防衛省幹部は「増えた感がある。ウクライナ侵攻に合わせている可能性もある」と指摘する。


防衛省はこれまで南西諸島方面の部隊を強化してきたが、ロシアへの監視強化を求められつつある上、北朝鮮対応でも手が抜けない。防衛力の底上げが喫緊の課題になっている。

(市岡豊大)

**********************************************************************************************