夫亡き後の「年金額」で老後破産 ありえます 日本人の生活を保障しましょう 2021.10.24

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news.yahoo.co.jp

 

「老後資金2,000万円問題」をはじめ、将来の生活への不安が増すなか、投資による資産形成を促す声が高まっています。貯金だけでは食っていけない時代になった……ともいえますが、つみたてNISAや個人型確定拠出年金iDeCo=イデコ)に過度な期待をしすぎるのも、考えものです。

 

高齢化社会「年金足りず老後破産」の現実味


国民年金を満額受給している夫婦2人の世帯で試算をしてみます。

第1段階……国民年金の満額受給額は、1人当たり月6万5000円、2人合わせて月13万円。

この場合、持ち家でも賃貸でも、何とかギリギリ生活できる程度です。

第2段階……夫が亡くなったとき。妻が1人の場合、妻の受給額は月6万5000円。

それとは別に、「遺族基礎年金」が支払われる可能性があります。これは国民年金に加入している人が死亡した場合に、その死亡した人によって生計を維持されていた「子どものいる妻」、または「子ども」に支給される年金であり、「子どものいない妻」には支給額が0円となります。

この場合、月に10万円を切るような生活となりますが、生活費が「ちょうど半分」になることはないはずです。妻の暮らしは「夫婦2人で生活していたとき」よりも、さらにカツカツの生活となります。

第3段階……妻が病気になったとき。

通院や入院をすると、莫大なお金が必要です。月6万5000円の受給となる毎月の生活費が赤字になり、預貯金を食いつぶす生活となります。

最終段階……赤字生活が毎月続くようになると、破産へのカウントダウンが始まります。”和田勉『お金にモテる独身女子50のルール』

上記は、国民年金に限って生活をした場合のシミュレーションです。「ウチは厚生年金をもえらえる。ずっとサラリーマンだったし、大丈夫だ」……そう考えた人も少なくないのではないでしょうか。

令和2年12月に厚生労働省年金局が発表した『令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』では、以下の事実が報告されています。

●厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、令和元年度末現在で、老齢年金は14万6000円となっている

国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、令和元年度末現在で5万6000円、令和元年度新規裁定者で5万4000円となっている

月14万円。サラリーマン時代を思うと、なんとも心細い数字ではないでしょうか。さらに同調査では、受給者が毎年増加していくなか、厚生年金受給額はこの5年間で1500円以上減少していることが示されています。

 

年金受給額の減少…「自助努力」の裏に隠された真実


■年金で足りるか?支出額を調べると…

総務省『家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)2 総世帯及び単身世帯の家計収支』では二人以上の世帯および単身世帯の家計収支の状況について詳細が記されています。

高齢無職世帯のうち「夫65歳以上・妻60歳以上の二人世帯」について見ていくと、実収入は「237659円」、消費支出は「239947円」となっています。実収入の91.3%は社会保障給付。そして日々の不足分は「33269円」。

また世代別に高齢無職世帯(二人以上)の家計収支を詳しく見ていくと、60~64歳世帯の生活資金の不足額※は「117184円」、60~64歳世帯の不足額「48686円」、70~74歳世帯の不足額「41004円」、75歳以上世帯の不足額「14180円」となっています。

※同調査では「黒字 -32979」といった表し方をしているが、便宜上「不足額」とした

「破産へのカウントダウン」という言葉が、現実味を帯びてくることがわかるでしょう。冒頭に記したシミュレーションは、迫りつつある現実なのです。

■「自助努力」は本当に可能なのか?

「年金」制度は現役世代が受給世代を支える賦課方式ですが、すでに「支えきれていない」ことは明らか。見かねた政府は「つみたてNISA」「個人型確定拠出年金iDeCo=イデコ)」をはじめ、投資による自助努力を促しています。

初心者にもわかりやすく描かれた「お金が増える仕組み」を目の当たりにし、投資を始めれば安心なのか!と考える方もいますが、100万円がいきなり200万円になる……といった話でもありません。

つみたてNISAの場合、金融庁の指導のもと、選ばれた投資信託のみで運用されます。ざっと(極めて概算ですが)年利は1~5%といったものでしょう。5%でも、チャレンジングな投資をしているほうです。100万円が1年で102万円になった、105万円になった……という地道な投資なのです。

とくにiDeCoの場合、原則60歳まで引き出すことはできません。病気しかり、事故しかり、人生いつ何が起きるかわからないもの。十分な貯金がない場合は、一考の余地ありといえるのではないでしょうか。


ちなみに、投資には「複利」という考え方があります。複利とは、簡単にいうと「元本+利息」に利息が付くことを指します。つみたてNISAをはじめとした長期積立のメリットのひとつであり、銀行や証券会社が「右肩上がりにお金が増える」と説く一因です。

■超低金利時代の「資産形成」その第一歩は…

バブル時代、銀行の利率はなんと6パーセントを超えていました。そして現在、定期預金の利率は0.01%程度となり、銀行は「お金をただ預ける場所」になりました。

「それでもよい」と考えるか、「投資で増やしたい」と考えるか。預金だけしているとインフレリスクを警鐘されることもありますが、そうはいっても日本は長年デフレでした。疑問視する声が多いのも事実です。

資産形成について学ぶセミナーは至るところで開催されています。まずは参加するのも第一歩といえましょう。証券会社や銀行開催のセミナーでは、投資信託をすすめてくることもありますが、「帰って検討してみます」としっかり断れば、プロの情報をゲットできたうえで、さっさと免れることができます。

SNSYouTubeにも資産形成を促す投稿があふれています。投資の世界はポジショントーク。誰かひとりの言葉を鵜呑みにするのではなく、多様な意見を聞き、吟味し、自分に合った資産形成をすることが大切といえましょう。

GGO編集部

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